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山田うどん店
山田うどん店_e0077899_06553322.jpg
 《山田うどん食堂》という外食チェーン店がある。
「安くて量が多くて旨くて早い」というのが売りの店だ。
基本的に、バイパスなどの大通りに面した所で店をひらいている。
15年ほど前に入ったきり、入店していなかった。
 先日、早朝に開いている店を探していて、
(そういえば・・・)という腹ペコ思いが湧き、入ってみた。
まだ夜明けを見たばかりだったので、私の他に客がひとりだけ。
《あったかい蕎麦に小たまご丼》のセットをたのんだ。

しばし、メニューで楽しんでいたら、奥から、
トレイをふたつ抱えた従業員の方が歩いてきた。
(おっきたきた)とワリバシを出そうとしたら、
私を通り過ぎ、もうひとりの客の所にむかい、
ふたつのトレイを置いたのである。
その客は、キャップを逆かぶりした腕のぶっとい、
いわゆるガテン系の人で、当然のような顔つきで、
ガッツキはじめた。
なるほど、これから体力気力勝負の仕事が始まる。
二人分のセットは当たり前なのだろう。

ん・・・?よくよく見ると、ご飯がフチから盛り上がっている。
あれは・・・ひょっとして大盛りだろうか。
ん・・・セットふたつとも、盛り上がっている。
素晴らしい!
こうでなくっちゃ!
エネルギーとは、その「予感」分を食べることで発揮される。
おそらく以前、セットひとつを食べて働いた際、
エネルギー切れを起こした経験があるのだろう。
さらにセットふたつでも、やはり切れかかったのだろう。
そこで、盛りが必要となり、この《予感盛り》が、
彼の正解値となったのである。

そこで、天下の山田さんにお願いがある。
《ガテンセット》なるものを造ったらどうだろう?
副題として、「おおばたらき」と書いてあると嬉しい。
山田うどん店_e0077899_06584561.jpg

# by ishimaru_ken | 2026-05-10 05:54 | 謙の発見!
古い家が
古い家が_e0077899_06181269.jpg
 「こんな古い家が倒れるもんか」
小学6年生の頃、大分県でおおきな地震がおきた。
真夜中だった。
地震の震度とは、その頃、気象庁のひとが、
自分で感じる強さで、3とか5とか発表していた。
それによると、震度4ほどだと後で知る。
「おおきな地震」と書いたものの、
大騒ぎするほどの震度でなかった。
それでも、これまで経験したことのない揺れに、
我が一家は布団からとびだし、庭に逃げた。

ん・・・・父親がいない。
もっとも騒ぎそうな人間が逃げていない。
おさまったあと、家に戻りすぐに眠りにはいる。
翌朝、ちゃぶ台の前で、お茶を飲んでいる父に訊く。
「起きなかったの?」
「こんな古い家が倒れるもんか」

「こんな」と言われた家は、江戸時代から建つ武家屋敷である。
築250年だの300年だのと言われていた。
その間に、おおきな地震が何度かあっただろうが、
それに耐えたのだから今更倒れないと、父は主張している。
そのうえ、昔の木材建築家屋は、年月を経ると、木が締まり、
硬く強くなると言う。

ふ~~ん・・そうなのかと、小学生は納得した。
しかし、いま現在は、考え方を変えた。
父親が間違っていたと思っている。
300年だのという時間の単位は、地球の歴史からすると、
「へ」みたいな時間の長さである。
地震とは、1000年に一度、とてつもなく大きなモノが起こると、
科学が証明してくれている。
山が山体崩壊していくのは、その為だ。
1000年に一度ならば、10万年に100回、
おおきな地震がやってくる。
尖った山が緩やかな山になり、
海に突き出た半島の先が、どんどん崩れて無くなるのは、
当然の自然の摂理であろう。

「こんな古い家が」と言われた武家屋敷なんぞ、
地球のゆさぶりの前では、最低1000年経ってから、
古いと主張するのがよろしいのかも。

後年、この科学的な話を父にふったところ・・・
「屋根瓦が落ちなかっただろ、日本家屋は地震で、
瓦が落ちる震度であれば、まっ先に瓦を落として、
屋根の重さを減らし、全体の倒壊を防ぐ仕組みがある。
つまり、アレは瓦が落ちない程度の地震だという訳サ」

ほお、一理ある。
瓦は接着剤で止めたり、釘を打ってとめたりしていない。
単に組み合わせて屋根の板に乗せているだけなのだから。
瓦が落ちる音が聞こえはじめたら、一大事と言っている。
う~~む、どちらが正しいのだろう?
経験論と科学論・・・
どちらも正解なのだろうか?
古い家が_e0077899_06172237.jpg
 古い家の前で   父正也と母作子 1965年

# by ishimaru_ken | 2026-05-09 04:55 | 昔々おバカな話
昔の家を描く
昔の家を描く_e0077899_17152662.jpg
 「みなけりゃ分からない」シリーズの自作の挿絵を描いている。
もちろん墨絵なのだが、描いてみて感心するのは、
我ながら良く覚えているなという感想。
60年ほど前の光景を、イラストとして描くのは、
ある意味、かなり難しい作業。

イラストとは線で描かねばならない。
線は描写の正確さが求められる。
たとえば、家を描いているのだが、
屋根瓦はどういう向きだったとか、
門はどうなっていたとか、樹々があったのかとか、
言葉で喋る以上に、絵は具体的だ。
インチキして描こうとは思わない。
思い出せない部分は、ぼやかそうとしているのだが、
描いているうちに記憶が蘇ってゆくのが不思議だ。

大分県内なのだが、生まれてから高校を卒業するまでに、
24か所の家に住んでいる。
以前は23か所と言っていたのだが、次作の本を書いている内に、
もう一軒、思い出したのである。
18年間に24の家。
一年に一回以上の引っ越しをしている。
昔は、《やうつり》という言い方をしていた。
「屋移り」と書くのだろう。
家というと、ではマンションはどうなるんだ?
アパートはどうなるんだ?と文句を言われかねないので、
家屋の《屋》の字を使ったのだろうか。

おそらく屋とは、
「雨に濡れない所」という意味なのではないだろうか。
屋外という言い方を考えてみると、当たっている気がする。
家移りより、屋移りの方が、使える範囲がひろいと思う。

これだけ引っ越しに明け暮れた、いや移動に精を出した家族も、
そうそういないだろう。
だからだろうか、私自身は、移動というものにストレスがない。
毎日どこかへ移動しても平気である。
舞台の旅で同様の移動が繰り返されるが、
よい職業についたものだと、感心した覚えがある。
 
生涯、一箇所だけで暮らす方もおられるだろうが、
たぶん、私にはできない芸当なので、むしろ尊敬している。
常に泳ぎ回っている回遊魚に生まれ変わっても、
不自由しないだろう。
生まれ変わりたいんですかと問われたら・・・
いや、食べる側がやっぱり好きですと、こたえたい。
昔の家を描く_e0077899_17161268.jpg
      リアカーでの引っ越しも

# by ishimaru_ken | 2026-05-08 05:14 | 昔々おバカな話
墨絵展 浦和開催
墨絵展 浦和開催_e0077899_05250014.jpg
              《涌蓋山わいたさん)》

 今日から、墨絵展がはじまる。
今回は、埼玉県浦和での開催となる。
初日には、おおきな会場でのトークショーも催すので、
来場者と会えるのが楽しみとなる。
トークショーというと、大げさだが、
私の場合、なにも用意せずに、その場のお客様の、
顔を見てから話し出すので、内容が一定しない。
つまり、毎回聞かれても、内容が違う展開となる。
「顔を見て」と言ったが、文字通り、見る。

昔から、舞台の上でお客さんの顔を見ていた。
目が良いのは、さることながら、
客席という漫然としたひろい空間ではなく、
ひとりひとりのお客という、
「点」を意識していたと云うのが正しい。
100人やら1000人に対して、喋っているのではなく、
ひとりに語っているつもり。

つまり、「アナタ」にお話ししている。
これは、このコーナーも同様で、顔こそ見えないが、
アナタに話しているのである。
オフタイムを始めた20年前から変わっていない。

この姿勢は、出版する本でも変わらない。
あくまで、主役のアナタがいる。
読んでいただくアナタへのメッセージにしている。
そこでハタと気づく。
墨絵はどうなのだろう?
展覧会を催しているが、やはり同様なのだろうか?

元々は、ひとさまに観ていただくべく描いたものではなかった。
それは今も変わらない。
ただし、本の挿絵も墨絵で描いたりしていると、やはり、
《アナタ》 をどこかで意識するようになる。
楽しんでもらいたい気持ちがある。
《アナタ》を漫然としたモノにしたくない私がいる。

50年前に、80人しか入らない劇場で、
芝居をしていたアノ感覚が好きなので、大きな劇場では、
《アナタ》が見えずらいのである。
墨絵展 浦和開催_e0077899_05314671.jpg
次作の本《家は越してみなけりゃ分からない》
の挿絵を描いている最中

# by ishimaru_ken | 2026-05-07 05:13 | その他
古い家に地震が
古い家に地震が_e0077899_07415791.jpg
               《竹田市の武家屋敷

 「こんな古い家が倒れるもんか」
小学6年生の頃、大分県でおおきな地震がおきた。
真夜中だった。
地震の震度とは、その頃、気象庁のひとが、
自分で感じる強さで、3とか5とか発表していた。
それによると、震度4ほどだと後で知る。
「おおきな地震」と書いたものの、
大騒ぎするほどの震度でなかった。
それでも、これまで経験したことのない揺れに、
我が一家は布団からとびだし、庭に逃げた。

ん・・・・父親がいない。
もっとも騒ぎそうな人間が逃げていない。
おさまったあと、家に戻りすぐに眠りにはいる。
翌朝、ちゃぶ台の前で、お茶を飲んでいる父に訊く。
「起きなかったの?」
「こんな古い家が倒れるもんか」

「こんな」と言われた家は、江戸時代から建つ武家屋敷である。
築250年だの300年だのと言われていた。
その間に、おおきな地震が何度かあっただろうが、
それに耐えたのだから今更倒れないと、父は主張している。
あるいは、昔の木材建築家屋は、年月を経ると、木が締まり、
硬く強くなると言う。

ふ~~ん・・そうなのかと、小学生は納得した。
しかし、いま現在は、考え方を変えた。
父親が間違っていたと思っている。
300年だのという時間の単位は、地球の歴史からすると、
「へ」みたいな時間の長さである。
地震とは、1000年に一度、とてつもなく大きなモノが起こると、
科学が証明してくれている。
山が山体崩壊していくのは、その為だ。
1000年に一度ならば、10万年に100回、
おおきな地震がやってくる。
尖った山が緩やかな山になり、
海に突き出た半島の先が、どんどん崩れて無くなるのは、
当然の自然の摂理であろう。

「こんな古い家が」と言われた武家屋敷なんぞ、
地球のゆさぶりの前では、最低1000年経ってから、
古いと主張するのがよろしいのかも。

後年、この科学的な話を父にふったところ・・・
「瓦が落ちなかっただろ、日本家屋は地震で、
瓦が落ちる震度であれば、まっ先に瓦を落として、
屋根の重さを減らす仕組みがある。
つまり瓦が落ちない程度の地震だという訳サ」

ほお、一理ある。
瓦は接着剤で止めたり、釘を打ってとめたりしていない。
単に組み合わせて屋根の板に乗せているだけなのだから。
瓦が落ちる音が聞こえはじめたら、一大事と言っている。
う~~む、どちらが正しいのだろう?
経験論と科学論・・・
どちらも正解なのだろうか?
古い家に地震が_e0077899_07390098.jpg
   八ヶ岳 赤岳頂上

# by ishimaru_ken | 2026-05-06 05:37 | 昔々おバカな話


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