《ねずみいろ》 《はだいろ》 《そらいろ》 《ねずみいろ》は、灰色のことで、ネズミのくすんだ様子を 表わしていた。 《はだいろ》は、日本人の肌を表現していたのだが、 現在は多様性の人たちを鑑み、使わなくなった。 《そらいろ》は、薄目の青である。 文字通り、空の色だと示している。 日本では昔から、晴れを天気と呼んだり、 空は青いと決めつけている。 ザカザン雨が降っている日でも、空色でソラを描いている。 《晴れ色》とは呼ばなかった。 おそらく願望を、色で表したのだ。 つまり、《そらいろ》とは、 「青く晴れていてくれぇ~」との願いである。 芝桜の花咲く園に多くのひとが集まるのは、 赤系の美しさを愛でている。 対し今はやりの、ネモフィラの園では、青の浮遊感を求めている。 大地からふわっと浮き上がった感覚に、酔いしれる。 浮き上がったあげく、空に近づいているような気すら覚える。 赤が、地面にへばりついているのに対し、 青はソラに手を差し伸べている。 ふわっと浮き上がる感覚を味わえる、ネモフィラの群落は、 「地球は青かった」と語ったロシアの宇宙飛行士ガガーリンの、
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by ishimaru_ken
| 2025-06-01 05:32
| その他
この二つの文字を読んで、どう思われただろうか? 《あざやか》 と 《ゆううつ》 と書き直してみよう。 この問いは、声に出して読んでもらえれば分かりやすい。 ヒントは、母音である。 もう一度、書き直してみよう。 《ああああ》 と 《うううう》 母音ではこう表わされる。 鮮やかという言葉は、文字通り、明るい表現となる。 母音が《あ》ばかりなので、明るさに拍車がかかっている。 対し、憂鬱とは文字通り、いやになる最低の表現だろう。 ただでさえ、鬱の漢字がよく見えないところにもってきて、 《う》ばかりなので、口が尖って憂鬱さが倍化する。 言葉は、声に出して読むと、母音が鮮明に浮き出てくる。 たとえば、《赤坂》は《あ》ばっかりの町の名前だ。 《赤坂隆正》さんの名前を呼ぶと、気持ちが明るくなりそうだ。 《高山雅也》さんにも、気軽に話しかけたくなる。 和歌山や神奈川や山形にお住まいなら、なお嬉しい。 少々短いが、香川や奈良や佐賀でも嬉しい。 カナダにも手を振っておこう。 では、この文章を声に出して読んでもらいたい。 「古靴結ぶ偶数のルール」 はたして、明るい気持ちになれただろうか? 「うううううううううううううーう」 ゆううつの三倍以上の う に悩まされる。 でも良いこともある。
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by ishimaru_ken
| 2025-05-31 05:49
| 謙の発見!
まるで言いがかりのような褒め文句で、 私を、ジャックの木に登らせた話をしたのだが、 今度は、看板を書いて下さいとのオファアをいただいた。 それは、病院の看板である。 《○○整形外科》 人生で文字を書くオアファは二度目だ。 最初が《辞表》で、次が、《病院》。 んむ・・・方向性が少々心配になる。 まさか、次に《戒名》となり、最終的には、 《墓碑名》を書いて、となるのだろうか? それはそれで、書いてみたい気持ちはあるが、 辞表からの流れが、あまりにもスムーズなので、やはり気になる。 てな事を考えながら、オファのあった文字をいきなり書いてみた。 《○○○○整形外科》 横文字の八文字を下書きなしに書いた。 すると・・・真っ白の紙の左から右端まで、見事に、 おさまったのである。 行間も、上下も、端の空間も、きちんと測ったかのように、 おさまった。 試しに、続けて、その八文字を横だけでなく縦にも、 書いた。 大きさの違う紙に、何度書いても、 きちんと測ったかのような八文字が並ぶ。 これは、どういう事だろうか? 自分でも自覚していない、平面寸法把握能力だろうか? 想い出してみると、毎年、正月の二日に書き初めをしている。 60センチほどの長さの習字紙に、いきなり墨を垂らす。 その時思いついた言葉を書き連ねる。 不思議に、上下ピチッと、収まっている。 ひょっとすると、日本人が「日本語を書く」という習い事の中で、 自然と身につけた才能なのではないか? 縦だろうが、横だろうが、空間把握に、 文字書きが役に立っている。 漢字、ひらがな、カタカナをミックスした文字の羅列を、 不思議な感覚で、並べられるのである。 アナタにもコレを書いてみてもらいたい。
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by ishimaru_ken
| 2025-05-30 06:08
| その他
コレが見つかった。 《辞表》と書かれた封筒。 ドラマでは、会社の役員や刑事が、辞表をふところに、 忍ばせて、事件に立ち向かうシーンが描かれる。 事件のラストに、その辞表の封筒をビリビリ破くシーンが、 感動的に描かれる。 辞表の封筒は、ドラマの美術さんが、作る。 表に、「辞表」の文字。 撮影のNG(ノーグッド)の回数が分からないので、たくさん作る。 たくさん《辞表》の文字を書かねばならない。 そんな時だった。 「イシマルさん、さっきから何を書いているんですか?」 撮影スタッフが、待ち時間にヒマなものだから、 筆ペンで絵やら文字を書いているイシマルに質問する。 「渡された辞表を見ていたらサ、ちょいと書いてみたんだよ」 「へぇ~この、イシマルさんが辞表と書いた文字、上手ですね」 おだてられてしまった。 「イシマルさん、どうせなら自分で書いてくれませんか?」 この日のロケでは、私が刑事として辞表の封筒を胸に秘めて、 事件に立ち向かうという、よくある設定であった。 「いいよ、書いてみようかな」 てなことになり、ドラマ上の自らの辞表を自ら書いた。 撮影上のNGの心配もあり、たくさんの封筒に書いた。 すると・・・ 「うま~~~い! 辞表の文字が上手だと、みんなが褒めるのである。 「いや~これまでドラマで、いろんな辞表の封筒を見てきたけど、 イシマルさんが書いた辞表が最高!」 ほめちぎる。 「見て見て、この辞表って、いいんじゃない!」 「やっぱ、辞表って、こうじゃなくっちゃネ」 誉め言葉はつづく。 「私たちが書いたのは、封筒の真ん中に書けてないですもん」 「こういう辞表なら、受け取った側も、納得しますよネ」 賛辞の嵐が吹いた。 筆を持った私の目が、宙をさまよっている。 得意げなわたしに追い打ちをかけるかのように、スタッフの声。 「辞表の文字を見事に書ける役者って、かっこいいよネ」 ピノキオのように伸びた私の鼻にさらに、おや指が、 「グゥです!」 ジャックと豆の木のテッペンまで昇りつめた私は、 自分で書いた「辞表」の封筒を破るシーンを、 ラストの撮影カメラに収めたのである。 (そうか、私は書道を習った訳ではないが、 時に、良い文字を書く事ができるのか!) ジャックの木のテッペンに登ったピノキオは、 その文字を見つめていた。 ん・・・・・・・? ふと、 ドラマ《ショカツの女》より
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by ishimaru_ken
| 2025-05-29 05:51
| 仕事
大阪ドルチェホールで催される。 (ホームページに黄色いチラシを載せてある) 過去2回の公演と同じく、いかにも不可思議な朗読会。 おお笑いして帰ったひと。 よく分からず隣りのヒトに聞いているひと。 家に帰ってから、含み笑いを始めたひと。 様々な方の反応があり、第三回目となった。 作・演出は、後藤ひろひと。 共に作品をつくるようになって、25年。 毎回、創り出す発想に、驚かされてばかり。 こんなに長い間、驚かされ通しなのが、むしろ気持ちよくなる。 観客として観てみたいのだが、チラシに名前を載せられるので、 出演がわに回るしかない。 前回も公演したドルチェホールは、客席数も少なく、品のある、 コジンマリとした所。 実は、舞台上にグランドピアノがあるのだが、 見えない仕掛けになっている。 壁に吸い込まれて隠されている。 前回、舞台が始まる前に弾いてみようと試みたのだが、 壁から出てこない。 両手を無理やり壁の中に、差し込んで弾いてみたのだが、 弾いた気がしなかった。 出演者には、ウルサがられるし、せっかくピアノがあるのに弾けないのはくやしい。 さて、たった一回しかしない舞台公演。 いかにも贅沢な催し。 収支決算はマイナスだろうが、気にしていない。
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by ishimaru_ken
| 2025-05-28 05:20
| 仕事
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