山に目覚めた友人が、次々と偉業とも言えそうな記録を、 作ってゆく。 これまで、山に登ってこなかった人間とは思えないチカラを 見せつけている。 次に彼が向かった先は、谷川岳。 そこには、《馬蹄ルート》と呼ばれる、 稜線をグルリと馬蹄形に回って帰って来るルートがある。 とにかく道は長い。 私であれば、最低二泊はしたい。 ところがと云うか、やはりと云うか、水を6リットル持って、 グルリと巡って帰って来た。 すると、「剱(つるぎ)岳に行ってくる」というではないか。 通常コースであれば、神奈川県からだと、山中2泊はしたい。 まさかと思っていたら、最も長いコース、 「早月尾根」から登って来たというのである。(標高差2200m) 勿論、神奈川の海の近くの家から出発し、 家に帰る日帰りである。 もうここまでとなると、開いた口どころではない。 なんで日帰りなのか、問うてみた。 「よそに泊まるのが、どうも・・・」 要は、自分ち以外に泊まった経験が少ないらしい。 そこで、山中の山小屋泊を勧めてみた。 一緒にいこうと誘った。 そうなると、まるで修学旅行の高校生の目ン玉となる。 出発の前日から眠れない子供となる。 初めての山小屋泊ということで、風呂のある小屋を選んだ。 一緒に歩いていると、アチコチに寄り道する彼がいる。 どこかに消えてしまう。 かと思えば、すぐに私の横を歩いている。 要は、足が速すぎて、私の歩きが亀に感じてしまうらしい。 珍しいモノを見つけると、アチコチ歩き回り、戻ってきても、 鈍行列車である私が見つかるという図式だ。 「走っている私」=「散歩している彼」 ほどのギャップがある。 とはいうが、私とて、そうそう遅い方ではない。 私に気を使って歩いている彼がいるので、 「先に行っていいよ」と後ろで私の荷物を、 半分背負ってくれている彼に声をかけると、 山道から、瞬く間に姿が消えた。 まるで、天狗である。 天狗と呼ばれる人は、若い時から天狗であろうが、 彼は、50才過ぎてから、天狗のチカラを表わした。 その天狗が、さらに進化した天狗になりかけている。 もし彼が、若い時から自分が天狗だと気づいていれば、 ヒマラヤなど世界のヒトになったのだろうと思わずにいられない。 #
by ishimaru_ken
| 2025-05-27 05:31
| スポーツ
《天は二物を与えず》 友人に、海の近くに住みながら、海の上に出ない、 という人がいる。 理由は、はっきりしている。 船に乗ると、酔うからだ。 どんなに波がないフラットな海面でも酔うと言う。 どうやら生まれつきの三半規管の問題かもしれない。 彼が運転する車に同乗すると、微妙に右左に振れている。 けっして事故が起こる様な振れ方ではないが、 その状態が彼の中で正常となっている。 (運転技術としては、すぐれており、事故経験もない) 住む近くに高い山がないものだから、 彼には、山に登るという発想がなかった。 しかし、50才を越えた、ある日、 「山に登ってみよう」 頭の上に電球が灯ったらしい。 すぐに登山靴とザックを買い求め、 神奈川県の丹沢に向かった。 彼は自分が、山の中でどれくらい歩けるのか知らなかった。 地図だけ持ち、丹沢山系の中でも急登と呼ばれる道を、 歩き登り頂上に着くと、その先、その先と次々に頂上を極め、 丹沢の反対側まで歩いてゆき、 再び、同じ道を歩き帰ったのである。 通常の登山者であれば、二泊三日の行程である。 山初心者が、日帰りで驚くような長距離を踏破した。 突然、自分が山に向いていると感じた彼は、 すぐに、他の山に目がいく。 次には、日本三大ロングコースと言われる、甲斐駒ヶ岳の、 黒戸(くろと)尾根に向かった。 あまりにも長くツラいコースなので、健脚でも、 山中の小屋に一泊するのだが・・・ やはり、日帰りにしてしまった。 日帰りとは、自分の家を出発し、自分の家に帰るという日帰り。 あまりのことに驚いていたら・・・・ この先は、明日にしましょう。 書いている私が、そのコースを歩いている錯覚に陥り、
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by ishimaru_ken
| 2025-05-26 05:21
| スポーツ
スーパーにソラマメが外袋のまま、つまり収穫時のまま、 売られていると、手にとり、重みを確かめてからカゴに入れる。 産地を、鹿児島と書いてある。 鹿児島県、指宿(いぶすき)の海岸線のちょいと上の台地を、 開聞岳を眺めながら走ると、 緑の畑が現れる。 延々とつづく緑は、ソラマメの栽培地だ。 よくよく見ると、実がタワワと成っている。 それらは、上に向かって生えている。 空に向かっているので、空豆(そらまめ)と名付けられたらしい。 よく似た生え方のオクラも、空に向かっているのだが、 《空》の文字は付けられなかった。 同じく、バナナも空に向かっているが、知らんぷりされている。 ソラマメの袋を破き、中の実を取り出す。 おおむね、2個の実が入っている。 ときおり、3個目がこぶりで、存在を示すことがあるが、 ほとんどが、2個。 サッと茹でれば、すぐに食べられる。 ではなぜ、袋に入ったまま売られているのか? 重くかさばる袋は食べられず、すべて捨てるしかないのに、 ふくろ付きが、愛でられる。 長持ちするという要素もあるのだろうが、 やはり、これをやりたいからかも。 《袋焼き》 そのまま焼いてしまう。 中身は、焼くというより、蒸される状態となり、 茹でるよりも、香りもふくよかさも豊かになる。 しかも、食卓で食べる瞬間に破くので、 ホワ~~ンと香りがふりまかれる。 中身も熱々だ。 実を抜き出して、さらに、皮をもう一枚剥かねばならない。 同様のおつまみに、枝豆があるが、贅沢感では、 空豆に軍配があがる。 2段階の皮むきという贅沢を、楽しんでやらねばならない。 ビールのつまみに、まず春にソラマメではじまり、 初夏に、枝豆がその役目をつなげる。 指宿を訪れた際は、ぜひ浜辺の砂風呂で汗を大量にかいて、 さっぱりしたら、お近くの宿で、
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by ishimaru_ken
| 2025-05-25 05:40
| その他
今ごろかい! と言われるのを覚悟にさらしてみよう。 家の中での移動の際、からだの一部を壁だの家具だの、 どこかに触れながら動いている。 たとえば、階段を下りている最中、 なんとなく壁に肩を擦ったりしている。 洗面所にまで歩く途中で、腕の外側をそっと扉にこすっている。 テーブルから立ちあがる時、モモの前をなんとなく、 テーブルに触れさせようとしている。 もちろんそっと触れているので、 テーブルの上のグラスなどに影響はない程度。 これらはいったい何だろうか? チックとは無関係だと考えられる。 チックの場合、それをしないと気持ち悪いのであるが、 これらの動きは、まったく無意識でやっている。 つい最近、これらの動きに注目したので、判明した事項だ。 まだまだたくさんの動きがあるが、すべて何かに触れようとしている。 こする動きである。 これは、室内だけでなく、外を散歩している時でも同じ。 外壁だの、生垣だのに軽くギリギリの触り方をしている。 いったいこの動きは何? なぜ、いまコレを言い出したかというと、ヒントを見つけたからだ。 昨日、猫が狭い小道をソロソロと歩いている姿を見ていた。 猫は、壁に自らの毛をそっと擦りながら通っている。 角を曲がる際には、わざと角に横腹をこすりつけている。 人が歩いてくると、やはり近寄って身体をこすりつけようとする。 「それは、猫の腰のあたりに臭いつけの線があってだネ」 猫好きの方の説明を以前聞いた。 それはそれとして、何かにこすりつけながら移動するという意味では、 私と猫は同じ動きをしている。 猫は無意識だし、私も無意識だ。 「空間把握の為なんじゃないの?」 知人が指摘した。 ぶつからないように、壁だのテーブルだのの位置を無意識に、 知ろうとしている、という意味だと受け取る。 それが答えだとすれば、ありがたい才覚だと嬉しいのだが、 困ることもある。 きちんと正装して結婚式だののパーティに行くと、 知らない間に、衣服が汚れている場合がある。 たぶん、無意識の才覚のセイではないか。 ドラマの現場では、着せられた衣装をまとっている。 これだけは、絶対に汚せない。 そして、汚した経験はたぶん少ない。 おそらく、私の才覚を越えた、仕事への生真面目さの方が、 上回っていると思える。 一応検証ができたような気がする。 《空間把握》の作業。 ただし、猫との違いは、他の人間に擦すりよるような動きはしていない。
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by ishimaru_ken
| 2025-05-24 05:35
| 謙の発見!
ネモフィラという花の名前を知ったのは、 6年ほど前の春。 近所の大きな公園の広場が、薄青色に染まっていた。 数千という株が植えられたらしく、それはそれは壮観だった。 ひとつひとつの青い花は、ちいさく可憐なのだが、 集まると、そこだけ地球から浮いているように感じられた。 今年の春、ホームセンターの入り口に、青い花を見つけた。 「ん・・ネモフィラでないかい?」 注釈の紙を見ると、はたしてその名が書かれてある。 迷わず一株、買い求め、我が家の猫の額に植えた。 その後、二度三度と追い買いし、10株ほどが並んだ。 水道をヒネリ、水をやった。 お陽さまは不必要なほど当たる猫の額なので、 成長を毎日見続けた。 ところが、毎日水をやっても、花が増え咲く兆しがない。 ひと株に、2個3個の小さな花が咲いているだけだ。 何が悪いのだろうか? とりあえず、水をやるのをやめた。 理由は、雨がザカザン降ったからにすぎない。 ところが―― その後、俄然とネモフィラがやる気を出してきたのである。 3日に一度雨が降った。 降らない日は、カンカン照りとなった。 あっという間に、ひと株につき20,30の花がひらいた。 これはどういうことだろうか? 《水道の水》 VS 《雨》 雨は天然水である。 栄養という意味では、水道水より遥かに軍配があがる。 それにしても、このあからさまな反応はどうだろう? かたや、水道水を与えていた20日間。 かたや、ただ雨が降った5日間。 かほどの活き方の露骨な違いを見せつけられた。 短期間の検証なので、科学的とはいえない。 とはいえ、ドキリとする結果には、人間の営みを考えざるを得ない。 蛇口をひねれば、もれなく出てくる水を供給してくれる、 水道局のシステムには、感謝している。 友人たちが、クルマにタンクを積んで、 天然水を汲みに行く理由がすこしだけ分かった気がした。 だからといって、同じことはしないだろう。 山登りの最中に、湧き水があると、持参したボトルに入れて、 グビグビ飲みながら歩いている。 あれは、正しい水の摂取方法なのだと、今頃にして染みた。 (湧き水は安全ですが、流れている川の水は、
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by ishimaru_ken
| 2025-05-23 05:29
| その他
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