神奈川県の三浦半島にある絵本屋さん。 今年10周年を記念して、豆本を作られた。 テーマは―― ツバメ号に、「こんな支店あったらいいな」という店を、 空想で描いていただくというモノ。 絵本作家さんがたくさん集まり、VOL.1から、次々に参加している。 VOL.2に、イシマルが参加させてもらった。 絵の中に、《10》の文字を入れるというのが、 店主から出された条件。 はがき大の紙に、描いた。 いつもの野筆(のふで)で描いた。 はがきの大きさは、私には小さかったかもしれない。 細かい線を必死にひく。 虫眼鏡の世界を裸眼で描こうとするのだから、顔面が画用紙に近づく。 VOL、2には、6人の絵本作家さんが楽しい絵と文をかいている。 皆さんの絵を普段から拝見するにつけ、 ものすごく目が良い人たち―― 感想が漏れる。 虫眼鏡で見てもよく見えないほどの小さな点が描いてあったりする。 中には、タヌキの瞳の中に、 信じられないほどの小さな白い点があるので、 特殊な拡大レンズで見てみたら、 その点がハート形に描かれてあったりする。 肉眼では、白い点があるかどうか程にしか見えないと言うのに・・・ そんな方たちと同じ冊子に参加させていただいて恐縮している。 しかも、10の文字を描き忘れ、あとで強引に10と描いた。 それでも、文字としては、 うみべのえほんやツバメ号 を実際には、1,3センチの長さに書いた。 目は良い方だが、10代の頃から比べると、相当悪化している。 (10代と比べるな) という意見もあるだろうが、 近眼ではないので、顔を近づければ見えるというものでもない。 では、どうやって小さい文字を書く? イメージである。 (たぶん、かけているだろう) というイメージでかいてみる。 虫眼鏡を使うと、左手でメガネを持っているので、身体が安定しない。 それよりは、背筋を伸ばし、顔面を紙から離して、 一本の習字の筆をにぎりしめ、 イメージでかく。 すると・・・たぶん、かけている。 かけていなくても、もはや仕方ないのである。 絵の大きさ 10,7×7,5センチ 青い部分に、12文字が書いてある。
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by ishimaru_ken
| 2023-05-17 05:04
| その他
30才過ぎるまで、財布を持っていなかった。 買うお金がなかったのではなく、 財布を持つ気にならなかった、というのが正しい。 理由はある。 財布を持っていることで、わずらわしいのは何? 「あれっ財布を落とした!」 当時、友人が大騒ぎしていた。 聞けば、たいした金額は入っていなかったらしい。 それでも、お金を落としたというショックで、心臓がバクバクしている。 言動もおかしくなっている。 Ⅰ時間たっても、「たしか、トイレに行ったあと・・・」 ブツブツ言っている。 3日後にも、まだグダグダ悔やんでいる。 彼は、落とした金額より多大な負債を、 心臓をはじめとする肉体に与えている。 仮に、落とした財布の中身が、1万円だったとして、 一万円で無駄な買い物をしても、ここまで落ち込まないだろう。 これは何が問題だったのだろうか? 実は、お金を落とした事に気づいたからである。 では、なぜ気づいたのか? ――財布を持っていたから。 もし、財布を持たないヒトだったらどうなる? たとえば当時の私の場合、お札も小銭も全部、 ズボンのポケットに突っ込んで歩いていた。 お金を使う時は、そこから必要なだけ引っ張り出して払っていた。 (映画のワンシーンにあるように、グシャグシャの紙幣ではない) きちんと折りたたんだ紙幣。 財布から出したのと同じように見えるお札。 財布を持っていると、財布ごと失くす。 すると、失くした事実がことさら拡大され、 失意のどん底を味わう。 ところが、お金をポケットにバラで入れていた場合、 落としたことに気づかない。 「あれっ、今日、お金持って来なかったのかな?」 カラのポケットを探りながら、ハテナマークだけが浮かんでいる。 《失くしたVS忘れた》 この差はおおきい。 ということは、私はお金を落としても、気づいていない。 だから、「これまでお金を落としたことがない」と、 胸を張っている。 さあ、こうなると、失くしたことへの心の打撃がほとんどない。 財布を持っていようが、持ってなかろうが、 失くすときは、失くす。 であるならば、心が騒がない方が、気持ちにも身体にもやさしい。 この強引な哲学を味方につけて、財布を持たないヒトになっていた。 ならば、今なぜ、財布を持っているのか? 答えは簡単。 カードのセイだ。 カードを何枚も持たざるを得なくなってから、 財布も持たざるを得なくなった。 40年前には、携帯電話もなかったので、 外出時に身に着けている最小限ものは、部屋の鍵だけ。 いまのように、車のキー、スマホ、財布、ひとつでも失くせば、 大騒ぎするものばかりでは、こころ休まる時がない。 時代を巻き戻すことはできないが、 とき折り、財布を持たずに出かける時もある。 自転車で走っていたり、ぶらぶらと散歩したり、 ポケットに、小銭とお札一枚。 軽装とは、こういう形の軽装もある。 こころが軽い。 たとえ落としても、打撃が小さい。 #
by ishimaru_ken
| 2023-05-16 05:08
| 昔々おバカな話
30数年来の釣りの友人から、突然電話がかかった。 「もしもし・・・〇〇ですが」 「おお~どうしてる?」 「こうしてます」 「そうかそうか!んで何?」 「実は・・・」 彼の顔を最後に見てから、25年ほどたつ。 それ以前には、釣りに足しげく二人で通ったものだった。 ある意味、私の釣りの師匠とも言える。 その彼のウチに、当時私が描いた絵があると言うのである。 釣りに行った帰りに、彼のウチに寄り、魚をさばいて、 日本酒をかたむけたものだった。 どうやらその時に、たまたまあった和紙に何やらしたためたらしい。 素人の酔っ払い絵である。 まったく忘れていた絵が出現したのである。 東京湾に走水(はしりみず)と呼ばれる、 水流のものすごく激しい場所がある。 そこで育つアジが、身体がデカく、身は引き締まり、 オオアジとして、釣り人の間では、垂涎の的となっている。 二人で走水に通い、大きなアジを釣り上げては、 目をまんまるくしていたものだった。 その興奮を絵にしたらしい。 らしいと言うのも、酔っぱらって描いたので、よく覚えていない。 オオアジと言えば、味も大味かと思われがちだが、 なんのなんの、鯵は大きくなればなるほど、旨くなる。 しかも、走水には、50センチを超えるバケモノクラスも生息する。 年に一本あがるかどうかであるが、 実は、私によって、その快挙がなされた。 その一本は、魚拓を自分でこしらえた。 #
by ishimaru_ken
| 2023-05-15 05:19
| 昔々おバカな話
〇〇とは、小説の名前である。 本好きにとっては、ありがたいお誘いなので、 さっそく買い求めようと心にとめる。 その時だ・・・ 「ラストにですね・・・」 薦めてくれた本人が、あろうことか最後の部分を喋ろうとしている。 結末を喋ろうとしている。 「待ってまってまって!」 両手のヒラを彼に向けて、おもいっきりブレーキをかける。 「喋べらないで!」 ところが、両手の隙間から、 「そのときにですね!」 ブレーキを気にせずに、喋りがおそいかかる。 人は、なぜ小説の内容を喋りたいのだろうか? 感動した内容を共有したいのは、分かる。 分かるが、同時に共有した訳ではない。 ズレが生じている。 先の人と後の人では、ちがう人生を歩んでいる。 例えば、映画であれば、同時に観ることができる。 「ネェネェ、〇〇はサ、なぜあんなこと言ったの、最後に?」 疑問を発して、二人で話がはずむ。 しかし、小説はそうはいかない。 仮に、二冊買って、二人で同時に読み始めたとしても、 読み終わるのは、ズレが生じる。 先に読み終わった方が、 「ネェネェ、〇〇はサ、なぜあんなこと言ったの、最後に」 なんて言った日には、二人の関係は決裂するだろう。 小説を奨めるヒトは、忍耐が必要である。 たとえ薦めたあと、私が買ったとしても、 すぐに読み終わるとは限らない。 待てど暮らせど読み終わるとは限らない。 だから、好きな小説の話をするのは、危険である。 したいのは分かる。 理解できる。 理想は、その本を読んだと言うヒトと偶然出会い、 喋る時間がたっぷりあり、二人でおなじ方向に進めそうな場合。 だから、これだけは、やめましょう。 〇〇の小説を奨めたあと、日が変わるたびに、 #
by ishimaru_ken
| 2023-05-14 05:52
| その他
好きだと現在形で言ったが、過去形でも言える。 高校生の頃に学校の教材で買わされた日本地図にはまる。 毎日、地図さえ開いていれば、楽しかった。 緑色は平野を表し、茶色は山岳地帯。 焦げ茶は、特に高い一帯。 全体像を空から、いや地球の外から眺めているようで、 いつも空中に浮いていた。 《鳥観図》という言葉をおぼえ、《地球外生命体》も覚えた。 UFOのことを、《空飛ぶ円盤》と呼んでいた時代の話だ。 ただし、その地図の表紙に書いてあった文字が気に入らなかった。 《新日本地図》 《新》とはなに? 新があるからには、旧がある訳で、 古いモノは、常に新しいものにとって変えられる。 という事は、今見ている地図は、いずれ古くなるハズなのに、 《新》の文字を使っていいのだろうか? てな事を考えている、15才のクセに、ませたガキだった。 この考えの原点は、新聞で読んだ、 「新幹線の開通」というニュース。 新聞は常に新しいモノを報道するので、新を使っても構わないが、 新幹線は、いずれ古くなる。 将来、名前を使えるのだろうか? 60年前に、この考えが頭に浮かんでしまった。 まだ新幹線を見たことも、乗ったこともないのに、 不埒な考えが、渦巻いていた。 世の中が、「新しい」ことに飢えていた。 新を使いたがった。 「新規開発」 「新田」 「新興住宅」 「〇〇新町」も次々に広がっていった。 そのたびに、(将来どうするのだろう?) 杞憂とも言える想いにひとり沈んでいた。 映画界も、 「新ゴジラ」 「新社長漫遊記」 夕陽のガンマンに至っては、 「続夕陽のガンマン」の次に「新夕陽のガンマン」が公開され、 不安をあおるかのように、 「続新夕陽のガンマン」が生まれようとしていた。 ウルトラマンだけは、そこはひねって、 「帰ってきたウルトラマン」と、カーブでかわした。 思い起こしてみれば、《新選組》とは、 勇気をふるった命名であったのだろう。 世の中が劇的に変わろうとしていた時代に、 《新しく選ばれた者たち》と言いつのる。 どちらかと言えば、ふるい幕府を存続させる為の組織なのだが、 あえて、《新》と名乗った。 英語で言えば、《ニュー》 イギリスの《ヨーク》の街から移住したから、《ニューヨーク》 《カッスル》から来たので、《ニューカッスル》 《ハンプシャー》という町があるのか知らないが、 《ニューハンプシャー》 《オーリンズ》も知らないが、《ニューオーリンズ》 港に行けば、〇〇新港だらけである。 それどころか、単に「新港」とだけの港もある。 山にも新山がある。 《昭和新山》 名前こそ付けられていないが、アチコチの火山に、 新山が生まれている。 最近は、それに《新》の文字は付けられていない。 理由は、おそらく、あまりにも次々生まれるので、 将来を憂いたのだろう。 新の文字を付けまいと考えた方は、おそらく、 #
by ishimaru_ken
| 2023-05-13 05:55
| 昔々おバカな話
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