目の前をスキップして跳ねていった、 小さな男の子を眺めながら、ふと思った。 少なくとも、この1年間、スキップした記憶がない。 走りながら、ジャンプした覚えはあるが、 アレは、スポーツだしな。 よし、ちょっと外でスキップしてこよう! ~~~ ~~~ スキップしてきた。 面白くなかった。 形だけのスキップに過ぎなかった。 スキップとは、心から湧き出る喜びである筈だ。 さっきの子供だって、喜びに溢れていたではないか! ん・・? スキップって、英語だよナ。 日本語にスキップにあたる表現はあるのかな? <とぶ>、<はねる>、<ぴょんぴょん>、 <けんけん>・・・ なんか違う。 無いとすると、江戸時代の人達は、もの凄く嬉しい時、 どうやって、ソレを表現していたのだろう? 喜びのあまり、 思わずスキップする事はなかったのだろうか? スキップ=2度踏みというテクニックは、 日本では、育たなかったのだろうか? ん・・? アレは、スキップに似ているゾ。 《青森ねぶたのハネト》 ♪~ラッセ~ラ~ラッセ~ラ~♪ 軽快な祭りの掛け声と共に、男も女もはねだす。 彼らを、《ハネト》と呼ぶ。 ハネトは、2度跳びだ。 スキップ同様に跳び、その高くあげた方の足を、 空中で後ろ向けに蹴る。 運動生理に反する動きをする。 もの凄く大変な動作である。 嬉しさのあまり跳んだにしては、 あまりにも激しい作業を強いられる。 初めてハネトにチャレンジした人は、 空中で足がからんで転んだりする。 昔取った杵柄で、はねたお父さんが、 全治三週間、肉離れを起こしたりする。 「日本のスキップは、ハネトだ」と断定するのは、 難しいかもしれない。 だって・・・ スキップが、ルンルルンルル~ と、鼻歌であるのに対し、 ハネトは、 ♪~ラッセ~ラ~ラッセ~ラ~♪ 笛まで吹いて、大歌声で喜び過ぎだもん。 #
by ishimaru_ken
| 2016-01-11 06:00
| スポーツ
ある日ふと、気づいた。 腕の付け根から、指先までの距離が、 イシマルの場合、短いのではないか? すぐに検証した。 胸の前に、1m定規をあて、腕を伸ばす。 指の先端で、定規を挟み、その長さを計測する。 「ねぇ、みんな、やってみようヨ!」 ウインドサーフィン仲間の胸に、定規をあてる。 計測結果が出た。 大勢の平均値が、私の数値を、 大幅に上回っているではないか! 「み・みんな、こんなに腕が長いんだ?」 すると、驚きの返歌がくる。 「イ・イシマルの腕は、こんなに短いんだ?」 そういえば・・・ 私は、腕立て伏せが得意だ。 テレビ番組の《スポーツNO1》では、 3分間で、200回を数えた事もあった。 そういえば・・・ 私は、懸垂が得意だ。 スポーツ番組の《ウンテイ》では、 懸垂走行で、60mを超えた事もあった。 これって、考えてみれば、腕の長さが関わっている。 地面に近づけようが(腕立て伏せ)、 地面から離そうが(懸垂)、 距離が近い方が有利に決まっている。 腕が短い=往復距離が短い ところが、殆どのスポーツでは、腕が長い方が有利だ。 話をボクシングにしてみよう。 殴りあうボクシングでは、 腕が長いほど有利だというのが定説だ。 バトミントンでも、卓球でも、テニスでも、 腕の長さに比重が置かれている。 よもや、バスケットだのバレーボールだの、水泳だの、 「長ければ長いほど良い」 と言われるスポーツばかりだ。 相撲なんて、マワシに手が届くために、 どんなに苦労している事か! 岩登りの、クライミング競技に至っては、 「あと、1センチで次のホールドに届いたのにぃ!」 そんな嘆きすら聞こえる。 《アレンの法則》というものがある。 温暖な気候で進化した動物は、腕が長く、 寒冷な気候で進化した動物は、腕が短いというものだ。 この法則に当てはめると、 私の祖先は、寒冷地で育っている。 「イシマルさん、腕が短くて良かった事はないんですか?」 はいはい、よく聞いてくれました! え~とネ、ボクシングのジャブはもの凄く速いネ。 往復距離が短いから。 ま、ボクシングはしないけど・・ え~とネ、荷揚げ作業は、楽だネ。 上げ下げの距離が少ないから。 ま、荷揚げ自体あまりしないけど・・・ え~とネ、顔を洗う時、腕が横に張らないネ。 短い分、角度がつかないんだろネ。 ま、必要ないけど・・・ え~と、え~とネ、 あと、なんだっけかネ・・・・ あっ、カンパイの時、たいがい届かないネ。 #
by ishimaru_ken
| 2016-01-10 06:09
| その他
森ではなく、北杜夫の杜だ。 風間杜夫の杜だ。 日本の神社から、杜をなくすと、なにやら哀しい。 衣服をつけずに、立たされた生徒のようで可哀想である。 隠すべきものは隠さなければ、哀れである。 時折、神社周りの造成などで、やむなく杜がなくなる。 刈られる。 裸になる。 神様も恥ずかしいだろうが、お参りにゆく我々も恥ずかしい。 舞台裏を見られてしまった芝居小屋のようで、落ち着かない。 梁に吊るされた鈴の縄をにぎる手に、力がはいらない。 お賽銭を投げ入れようと、財布を出すのだが、 中身を覗かれているようで、背が丸くなる。 杜がないセイで、光があふれている。 世の中、光があふれるのは、めでたい事なのに、 神社に関してだけは、おおいに困る。 苔をまとって、じめっとして貰わなければ・・ なんだか、スースーしている。 隙間風どころではない。 まともに風が吹き抜けてゆく。 たまに、ゴ~などと髪を巻き上げる。 巻き上げる髪が無いおとうさんでも、思わず首をすくめている。 パンパン・・・打った柏手が、杜に吸い込まれる事なく、 空を漂っている。 なにより、神社につきものの、カラスがいない。 カラスが寝床すら造れない。 しかし、カラスから、 晴れ着に糞を落された苦い思い出のある娘さんだけは、 胸を張って、ポックリを鳴らしている。 #
by ishimaru_ken
| 2016-01-09 06:00
| その他
血抜き処理された大きな肉塊が送られてくる。 友人らが集まり、猪鍋とあいなった。 猪の脂は不思議だ。 煮ても煮ても、溶けていかない。 真っ白い脂が、やや濁り色に変色するだけだ。 豚のように、トロトロに溶けるのではなく、 硬く引き締まった脂となる。 こいつに歯を当てると、グギュッと弾力を感じる。 よく噛みしめて呑みこむ。 胃袋に落ちた瞬間から、力が漲る。 野生は旨い。 さて、猪を食した次の夜だ。 「今度は、焼こう!」 猪肉の焼肉に興じた。 ここでも、脂は健在だ。 コリコリ感が倍化する。 野生の猪には、霜降りという発想がない。 赤肉は赤肉の部分に、脂は脂身の部分に・・と区分けして、 配置されている。 よって、脂だけ食べたければ、可能だ。 脂好きな奴が、その快挙に出ようとするが、 周りの仲間の睨みによって、阻止される。 やはり、皆、猪の脂は好きなようだ。 そして、3日目の夜。 まだまだ、肉塊が残っている。 「今夜は、猪スキヤキだぁ~!」 なんと、3日連続で、猪料理となってしまった。 さらに申せば、猪は、スキヤキに良く似合う。 甘醤油に煮締められた肉片。 伸ばす箸がとまらない。 すでに3日目だというのに、我らはまだまだ、猪を愛でている。 こうして、大きかった肉塊が消えた・・胃袋に。 その時、思わず額に手をやった。 「しまった、猪カツを作るのを忘れた!」 #
by ishimaru_ken
| 2016-01-08 05:54
| その他
青竹をノコで、引いてみる。 シャコシャコ・・簡単に切れる。 生きている竹はいとも簡単に切断できる。 しかし、枯れた竹は、固くなって、切るに難い。 これは、アダンの樹にも言える。 シャコシャコシャコ 生きたアダンは、簡単に切れる。 ところが、枯れたアダンを切るには、 生きたアダンの10倍の力がいる。 切った私が言っているから間違いない。 で、ここに蔦が登場する。 正式名称《葛葉藤》クズハフジ。 その根っこから葛が取れる。 葛湯のクズだ。 このクズハフジの蔦は、生命力が旺盛だ。 森から、どんどん触手を伸ばし、 ありとあらゆる障害を越えて、周りに拡散してゆく。 木に巻き付き、地面を這い、家屋の壁に取り付き、 ほおっておけば、1~2年で、家は覆い尽くされる。 我が家は、このクズハフジとの闘いと言っていい。 夏には、ウネウネと近づいてくる蔦を、 植木バサミで切る作業で忙しい。 切っても切っても、伸びてくる。 いったいどこからやってくるのだろう? かねてよりの悩みだった。 昨日、森の中にむりやり踏み込んでみた。 ヘルメットに安全靴、重装備でのぞんだ。 そして、ついに見つけたのだ。 その親玉を。 そやつは、大きく成長した大蛇のように、 木々の間でくねっていた。 太さは、10cmを超えている。 辿ってゆくと、崖の地面の中に没している。 「こいつが、親の幹だったのか!」 私の腰には、ノコギリがぶら下がっている。 上を見上げると、葛は、木々に巻き付き、 遥か上空まで伸びている。 親分を切ってみよう! 「ここで、切断して大丈夫だろうか?」 「切った途端、ドサドサと落ちてこないだろうか?」 「それより、この太い幹が、切れるだろうか?」 ノコギリの歯を当て、喉ぼとけを上下させる。 ゴクリッ ええいままよ・・・ シャコシャコシャコシャコ! おお~~~なんと! たった4回のシャコで、そのぶっといカズラが、 真っ二つに切れたのだ! 思わず、声が出る。 「生クズハフジ、おまえもか」 #
by ishimaru_ken
| 2016-01-07 05:57
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